梅干しは酸性なのかアルカリ性なのか?

母親が今年も梅干しを作っていました。

面倒くさいと思うんですけど、毎年梅干しを漬けてます。

それで、梅干しは健康食品ということになってるんですけど、昔化学を勉強したものとしては、梅干しって酸性なのかアルカリ性なのかというのが気になっていました。

酸っぱいものはだいたい酸性のはずなのに、身体に入るとアルカリ性だとかよくわからないなと思ってたんです。

それで、いったいこれはどういうことなのか、ちょっと調べてみました。

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梅干しは酸性だがアルカリ食品

まず、梅干しそのものをリトマス試験紙なんかで調べると真っ赤になるので酸性なんですね。

だから梅干しは酸性。これは間違いない。

しかし、体内でアルカリだって言われるのはなんで?

ということで調べてみるとどうも、酸性食品だとかアルカリ食品だとかの定義が混乱させているということがわかりました。

まず、酸性食品だとかアルカリ食品の定義なんですが、

対象となる食べ物を完全に燃焼させた時に、その残留物の水溶液がアルカリ性を示すものをアルカリ性食品といいます。

ということなんだそうです。

この定義でいくと、食品そのものが酸性かアルカリ性かというのはどうでもよくて、問題は燃やして灰にしてから水に溶かした時に酸性かアルカリ性かということになります。

なるほど。

梅干しの場合、酸性を示すのは「クエン酸」なんですが、クエン酸は有機酸なので燃やすと水と二酸化炭素になるんですね。ちなみに燃焼温度は700℃だそうです。

※クエン酸の化学式はC(OH)(CH2COOH)2COOH

この化学式からすると、酸性成分のクエン酸を燃やして出てくるのは炭酸ガス(CO2)と水(H2O)だけですから、700℃なら全部揮発してしまうわけです。

ということで、梅干しはこの定義に従うと、酸性部分のクエン酸は熱により分解されてしまい、残ったミネラル分はアルカリ性を示す為にアルカリ性食品と言われるのだそうです。

でも、梅干し焼いたらほとんど塩(NaCl)だと思うんですけどね。それでこれは中性なので、その他の灰分の成分であるカリウム(K)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)なんかがアルカリ性を示すのかなと。

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酸性食品とは?

梅干しが酸性だけどアルカリ性食品だという定義のお話は分かったんですが、じゃあ酸性食品はなんなのか?

ということで分類させているものを見てみると、肉、魚、穀物、卵、白砂糖、などとなってました。

特に動物性蛋白質の場合、硫黄(S)が含まれ、燃やして灰にするとこれが酸性を示す(硫酸根、SO4–)から酸性食品だということだそうです。

でも、砂糖の化学式はC6H6O6、で酸性になる元素はないし、穀物もデンプンは砂糖の重合体なのでやっぱり酸性になる元素はありません。

この酸性食品、アルカリ性食品という分類、結構怪しいのかもしれませんね。

だいたい、体内で中和されるなんて言っても、胃の中は胃酸(塩酸、HCl)で強酸なんだし、十二指腸に入れば膵液(重曹、NaHCO3)でアルカリ性になるんだから、食べ物で中和ってのもどうなんだろうなって思うし。

肉を食べたら野菜も食べようとか、ご飯に梅干しとか、組み合わせとしてはそれは普通に身体が欲しがるので、そこはあんまり突っ込まないほうがいいのかもしれませんが。

その他の説明としては、クエン酸は十二指腸でクエン酸ナトリウムになるので胃の中では酸性、腸の中ではアルカリ性という説明もありました。

そういうのもあるんでしょうけど、なんでそれが身体に良いことになるのかは自分にはよくわかりません。

いかがでしょうか。

梅雨が終わって、夏が来たら熱中症対策に梅干しを食べよう、なんてやってましたが。

自分としては、梅干しが健康食品だから食べるというのではなくて、好きだから食べるでいいじゃないかと思うんですけどね。

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